2022-05-08

【Blender】ライトを暖色にする方法

ライトの色調整だけだとロウソクや白熱球の温かい感じが出せない。実はノード調整で簡単に作ることができる。

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使用ソフトウェアバージョン備考
Blender3.1.2

ライトを暖色(寒色)にする

Blenderで白熱球のような温かいライトを表現する。

今回はサンプルとして床置きのフロアライトのようなものを作った。

作例

この明かり表現はRGBのような値ではなく蛍光灯の表記とおなじ「色温度(ケルビン)」で色を設定するもの。

逆に蛍光灯のような冷たい色をつくることもできる。

余談:カラーだけ調整できないの?

今回はBlackbodyというノードを使うが、実はライティングのカラーだけでケルビン値を表現することは可能。

公式Doc にもBlackbodyは黒体温度をRGB値へ変換をするノードだと書いてある。

ただ、感覚で色を選んでいると正確な色は表現できない。

よってカラーだけで無理やり表現しようとすると変換値を調べて設定する必要がある。

つまりこの記事で紹介する方法だと正確な色味を比較的かんたんに設定できるというのがメリット。

Cyclesで表現する

Cyclesの場合はライトオブジェクトそのものにノードを設定できるので非常に楽。

はじめにライトを仮配置した後次の作業を行う。

ノードの使用

ライトのオブジェクトデータプロパティからノード > ノードを使用ボタンをクリック。

これでShadingタブでライティングにノードを使うことができるようになる。

ここで放射(Emission)ノードに黒体(Blackbody)ノードを繋いだらもう完成。

Blackbodyノード

あとはBlackbodyノードの温度を設定すれば色が変わっているはず。

※よく使いそうな色設定は下部に参考を記載。

Eeveeで表現する

Eeveeでの注意点は、ライトオブジェクトにノードが使えないので代わりのオブジェクトを発光させる。

再現は可能だがこちらは少々面倒でデメリットがあるので注意(後述)

Eeveeのサンプル

Eeveeで発光させたサンプル

ブルームをオン

レンダープロパティでブルーム(Bloom)をオンにしておく。

Bloom ON設定

これが設定されていないとエミッションが設定されているマテリアルが発光しない。

適当なオブジェクトに発光マテリアルを設定

ライトの代わりに球でもなんでもいいのでオブジェクトを作っておいて、そちらのマテリアルを次のようにする。

発光マテリアル

プリンシプルBSDFの放射へ繋いでも良い

一応これで完成する。

デメリット:ライトにならない

サンプルがなんで球体だけだったのかというと冒頭のようにカバーの中にライトが入っているような表現が難しいからである。

同じシーンをEeveeでレンダリングすると次のようになる。

難しい例

不自然なレンダリングとなる。

※ライトなしだと何も出ないのでサンライトを別途置いている。

というわけでEeveeの場合はライティングとして使うのではなく単に発光する物体としての表現にとどめておく。

なんとかライトにならない?

次のサイトが参考になる。

Eeveeレンダーで放射シェーダーをライトにする方法【Blender2.8】 – 忘却まとめ

※この場を借りて良い記事をありがとうございます。

どうしてもレンダリング速度が必要でEeveeで再現するなら試してみる価値がありそうだ。

色温度の参考値

最後に参考値を残しておく。

  • 自然な朝日や夕日:2000
  • 暖色系のライト:2700から3000
  • 太陽をイメージ:5000から6000
  • 一般的な蛍光灯:5000から7000

暖色系のライトを表現したいというケースが最も多いと思うので記事のタイトルもそれになっているが、7000のように敢えて蛍光灯の青白さを表現に入れるのも面白い。

蛍光灯の例

以上

最後のサンプル

Blackbodyノードを絶対に使わないと表現できない色というわけではないのだが覚えておくと何かと便利だ。

炎系の表現や恒星のような表現でも使えるかもしれない。

普段からEeveeをメインで使っているとこういう表現ができることを見落としがちなので、ぜひともCyclesで使ってみてほしい。



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謎の技術研究部 (謎技研)